「3時間台で走る。」
東京マラソン2008での目標。
ko-su
5倍の競争率から幸運にも当選。しかし確率論でいえば、あと5年この大会に出れない。
まだハーフまでしか走った事がないが、目標は、大きな節目「サブフォー」となった。
さて、ではどうやってこの3時間台を達成しようか。
イーブンペースが理想なのは分かるが、今42Kmを適正配分で走り切る自信がない。
どの道、30Km以降は崩れるだろう。それで、序盤にできるだけタイムを稼ぐ作戦となりました。
当日は快晴。これは何よりの恵みです。
9時10分スタート。感動です。
東京都庁前。スタートロスは3分。ようやくスタート地点に立つと、ロスを取り戻そうと、少しあせる。スタート前、防寒のために着られていたビニールコートの無数の残骸をよけながら走る。歌舞伎町。騒然とする中、人をかきわけるようにして前へと進む。クルマのない東京のど真ん中を、3万人のランナーが走っている。目の前に、幻想のような光景が広がっています。新宿一丁目からは下り坂。防衛省前は、ブラスバンドの演奏。
飯田橋。最初5Kmのラップは28分台(ネットで25分台)。小出監督が、「ここで飛ばしすぎちゃダメだよ!」といっているVTRを思い出した。が、正直飛ばしすぎた。九段下。武道館前。爆風スランプの歌を思い出した。皇居前。目の前にスカッとした緑が広がる。正面には東京タワーが見える。
日比谷。10Kmまでの5Kmのラップは23分台。抑えがきかない。一度ペースを作ってからそれを落とすと、すごい勢いで後続ランナーに抜かされてゆく(そのくらい同等の速さのランナーが集中している)。それが何とも不安なのです。
御成門。対向車線に先導車が見えた。トップランナーの走りを対面で見るのが、東京マラソンの楽しみの1つでした。先頭集団が現れる・・・まだ団子状態。感動です!
品川。15Kmまでの5Kmのラップは24分台。ここの折り返しを通過する時、なぜか皆、ハイテンションになっている。なるほど、正面にTVが構えている。
近くがにぎやかになって来たと思ったら、ピカチュウの着ぐるみのランナーが接近。大歓声が鳴り止まない。さすがはピカチュウだ。
続いて白鳥の湖のプリマ姿の男が登場し大爆笑を誘い続ける。本当、これには笑った。
まだ、コスプレを楽しむ余裕があった。
再び日比谷。20Kmまでの5Kmのラップは25分。少し足に来出した。
銀座四丁目。沿道の応援がひときわすごい。今銀座のど真ん中を走っている。不思議な事だ。先頭集団は、既に走り去っていた。
京橋。エイドステーションにバナナが登場。しかし、精神的に余裕を持つ為、ギリギリまで手をつけない。
日本橋浜町。25Kmまでの5Kmのラップは26分。依然コスプレイヤーの2方とはデッドヒート。しかも明治座を通過するあたりでは、スパイダーマンも合流した。だんだん、次の1キロが遠くなってくる。早く30Kmを通過したい。トイレに行きたい。
最大のランドマークの1つ、雷門が見えてきた。折り返しでは、品川に続きまたも大歓声だ。マラソンの折り返しは、やはりドラマだ。1Kmのラップが5分30秒を越えてきた。でもこの速さが、今までのハーフ出走のイーブンペースだ。
両国。30Kmまでの5Kmのラップは28分。ここからがマラソンだ。沿道の応援は、心なしか下町風情が香る。チョコや和菓子などの差し入れが多い。作戦どおり、3時間台でのゴールには、大きな貯金が出来た。あと12Kmを1時間30分。1Km8分近く使える。しかしここからが苦闘の始まりだった。ガクっとペースが落ちる。茅場町のエイドステーションで初めてバナナを口にする。銀座四丁目に帰ってきた所では完全にヘッドアップしてしまう。歩行者天国のあたり、一番沿道がにぎやかな場所で、後ろから次々と追い越されてゆく。
築地。35Kmまでの5Kmのラップは30分に落ちた。走れど走れど、次の1キロの看板が見えない。八丁堀。「あと5Km!」の声援が余計に途方に暮れさせる。「まだあと5Kmも・・・」。序盤以降フラットだったコースはここからアップダウンを交えてくる。足が動かない。エイドステーションで減速すると、再び加速する時、膝関節が悲鳴を上げる。佃大橋の上りでは、ほとんど歩いているようなペースになる。
「4時間台でいいじゃん」「歩いちゃえば?」葛藤が始まる。
東雲。40Kmまでの5Kmのラップは、ついに37分まで落ちる。最後の2Kmは1Kmあたり8分を越えた。クライマックス。あと2.195Kmが、果てしなく遠い。でも4時間まではあと16分しかない。
このペースでは間に合わない。
「ここで頑張らずにどこで頑張る」。頭の中では、自分のこれまでの人生で、あともう少し頑張り切れなかった為、悔しい思いをしたシーンの数々を呼び出していた。
でもペースは上がらない。最後の上り坂の頂の手前にあと1Kmのラインが見える。残り時間は7分ちょっと。ここだ!!最後の力を振り絞った。下り坂を利用してスパート。でも先はまだ、1Kmだ。坂が終わる。途中、減速しようか?歩こうか?と思っていると、
あと200m!!
声援か、コースガイドか。声が聞こえた。心臓が破れそうだ。
でも、もう少しだ。
東京ビッグサイト。最終コーナーを曲がり、ホームストレートの先にゴールが見える。大きな計時ボードは、3時間58分台を刻んでいる。
スタンドの歓声が聞こえてくる。3時間台が確信できた。
ゴールまでの瞬間を楽しんだ。
完走!!!
medal2
慣れ親しんだ東京のど真ん中で、沿道の声援が切れることのないこの素晴らしい大会。本来タイムなど気にせず、エンジョイすべきところ。でも目標に向かって頑張れた。本当によかった。
ITとメディアを駆使して、参加者1人1人の記録や映像を届け、走り終わった後は全員にヒートジャケット、メダル、記念撮影などなど至れり尽くせり。市民ランナーをアスリート気分にさせるこの大会、当分人気が続きそうです。
今後は毎年、ランナー、ボランティア、友人の応援のいずれかでこの大会に参加したいと思います。
さて、次回のマラソンでの目標は、「サブフォー」ではなく、「イーブンペース」。
ロハスに、マラソンを楽しみたいと思います。
★東京マラソン2008★
2008年2月17日(日) 天候:晴れ
マラソン 記録:3時間50分台・完走
【参考】有名人の記録
和田正人さん(2’57”)、大原里絵さん(3’34″”)、猫ひろしさん(3’48”)、大櫛エリカさん(3’50”)、鈴木宗男さん(3’57”)、ラルフ鈴木さん(4’27”)、東国原英夫さん(4’42”)、玉袋筋太郎さん(4’37”)、にしおかすみこさん(4’45”)、鈴江奈々さん(6’34”)などなど
おめでとうございました。

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