満を持してリリースした前アルバム「ドリーム・ストリート」は不発、同年にデバージのジェームズ・デバージと結婚し速攻離婚。そんなドツボの中、「コントロール」は元タイムでS.O.Sバンド、アレクサンダー・オニール、ヒューマン・リーグらを手がけたジミー・ジャム&テリー・ルイスの全面的プロデュースによってリリースされました。
「ドリーム・ストリート」のポップな感じから一転し、グルーヴィでキラキラしたジャム&ルイス・ワールドは、黒人音楽専門ディスコはもとより、「マハラジャ」のようなミーハー・ディスコでも次第にヘビーローテーションになってゆきました(かかる時間は、ユーロビート一色になるゴールデンタイム前ではありましたが)。ある日”ナスティ”がかかっていて、DJにこれ誰?って聞いて、「ジャネット・ジャクソン」って返されて、ハッとしたのを思い出します。
僕が、ジャネット・ジャクソンというアーティストを初めて意識した瞬間でした。
そして、1曲1曲とシングルカットされるたびに、目に見えてビッグなアーティストになってゆくジャネットのオーラを、このとき鮮烈に感じていました。
当時を思い浮かべながらリリース順に書きますと、
“What Have You Done For Me Lately“シンプルなメロディにブレイク・ビートが入るグルーヴィな感じが、「キュー」のような黒人音楽専門ディスコで映えました。
“Nasty“本格的なダンス・スキルを披露したミュージカル調のPVによって、ジャネットの存在感がグンと上がったのを覚えています。
“When I Think Of You“では初の全米1位を獲得。エレガントでダンサブルなナンバーは、場所を選ばず、華やかな気分にさせてくれます。
“Control“とにかくスペイシーでカッコいい、ジャムルイの真骨頂のようなサウンドです。
“Let’s Wait A While“ジャネットはこういう切ない系バラードでは、ハズレがないです!
上記の5曲はすべて全米チャート5位以内に入り、仕上がった頃にジャネットは、マイケルと肩を並べるスターダムにのし上がっていました。何気なく見る洋楽番組でもジャネットのPVで溢れ、ビジュアルでも鮮烈な印象を残しました。
「コントロール」はそんな、とても劇的なイメージを残してくれたアルバムです。
なので強いてジャネットの一番好きなアルバムを挙げるならば、この「コントロール」になりますネ。