イベント報告

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庄野真代さん、トリビュート・トゥ・マイケル・ジャクソン、早稲田マイケル・ジャクソン研究会のみなさま、ありがとうございました❣法政大学の学生のみなさま、ご清聴ありがとうございました。

「マイケル・ジャクソンの慈善活動とメッセージ」
当日のレジュメ、プレゼン資料、講義録を掲載しました。

【レジュメ】

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「マイケル・ジャクソンの慈善活動とメッセージについて」

2019年6月5日

1.マイケル・ジャクソンについて
・人類史上最も成功したエンターティナー(ギネス認定)
・世界一慈善活動を支援したポップスター(ギネス認定)

2.講師プロフィール
マイケルやも
・慈善団体アースデイwithマイケルなど創設
・書籍「マイケル・ジャクソンの言葉」(扶桑社刊)編著
・無農薬・自然栽培農場マイラブファーム創業

3.マイケル・ジャクソンの慈善活動とメッセージ
(1)代表曲と曲にこめたメッセージ
・ビートイット(1982年)
・BAD(1987年)
・ブラック・オア・ホワイト(1991年)

(2)チャリティ・ソングと慈善活動
・チャリティ・ソング「ウィ・アー・ザ・ワールド」(1985年)

(事例)阪神淡路大震災(1995年)復興支援にも無償で楽曲を提供

・慈善活動「ヒール・ザ・ワールド基金」(1992年~)

(事例)世界寺子屋運動(日本ユネスコ協会連盟)のスタートアップ資金の提供(1987年)

4.マイケル・ジャクソンの生涯と伝えたかったこと
一人の音楽家を超えた、社会企業家(Social Entrepreuner)の先駆
栄光と受難の人生、残した教訓

(1)2009年7月に予定された復活ライブ「This Is It」のメッセージ

(2)マイケル・ジャクソンの思考の核心

<参考になる本のご紹介>
・「ムーンウォーク マイケル・ジャクソン自伝」マイケル・ジャクソン著・田中康夫訳(河出書房新社)
・「マイケル・ジャクソン全記録1958-2009」エイドリアン・グラント著・吉岡正晴訳(ユーメイド)
・「マイケル・ジャクソン」西寺郷太著(講談社現代新書)
・「マイケル・ジャクソンの思想」安富歩著(アルテスパブリッシング)

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>>レジュメ(pdf)
>>プレゼンテーション(pdf)

【講義録(スクリプト)】

みなさん、マイケル・ジャクソンのことはご存知でしょうか?
それでは、マイケル・ジャクソンは世界一、チャリティ活動を支援したスターだったということをご存知でしたでしょうか?
ギネス記録ももっているんですよ。

今日の「アーティストと社会貢献」は、突然の死から今月で早10年が経ちます、
”キング・オブ・ポップ”マイケル・ジャクソンの社会貢献活動について、お話させていただきます。

まずは簡単に自己紹介から。
「スリラー」のショートフィルムを見てマイケルに魅了されて、マイケルが亡くなった2009年から、このような活動をさせていただいています。
特に、マイケル・ジャクソンの慈善活動家、社会活動家としての側面に着目し、強く信奉しています。

マイケルの精神を受け継ごうと、音楽と、チャリティや環境保全活動を結び付けて、よりよい世の中に変えてゆきたいと思いまして、「一人一つ社会貢献をするソーシャル・ライブ」ヒストリー・ライブ、「福祉施設ボランティアでマイケルダンス」をするMJライフ、「チャリティをポップに楽しく」しようとアースデイwithマイケルといった団体の創設に携わってきました。

今までの活動は、チャリティや地球環境保全イベントやステージへの出演、震災復興のための被災地訪問や福祉施設訪問、地球の大切さを子ども達と一緒に学ぶワークショップ、生態系を育み地球環境を維持する自然農法によるお米づくり、街中のごみ拾いまで、全てマイケル・ジャクソンの音楽と関連づけた社会貢献活動を行ってきました。

アースデイwithマイケルとして、書籍「マイケル・ジャクソンの言葉」という本も書かせていただいています。よりよい地球のためにマイケル・ジャクソンが遺した100の言葉を紹介して、その背景を解説しています。

そして今、こうして活動を行ってきて、突き詰めて考えると、マイケルのメッセージは自然や生物と共に生きる農業に行き着くのではと考え、千葉市に、無農薬・自然栽培農場「マイラブファーム」を開園しました。今は妻と一緒に、「半農半マイケル」をやっています。

半分は農業で半分は自分の天命を果たす「半農半X」という生き方は、これからの時代のトレンドになると思います。「半農半Xのいまとこれから」という本にも紹介されますので、機会がありましたらぜひ読んでみてください。

それではレジュメの3番、マイケル・ジャクソンの慈善活動とメッセージについて。
ちょっとここでビデオを見てみましょう。

【ビデオ1】

マイケルの魅力は、なんといってもダンスや映像をはじめ、あらゆる演出を使ってサプライズを巻き起こす表現スタイルです。
今から37年前の1982年、アルバム「スリラー」が人類史上初となる、世界で1億枚を超える大ヒットにより、「キング・オブ・ポップ」という称号を得て、音楽界に君臨しました。
そして、歌に込めたメッセージは全て「子ども達のためのよりよい地球」を目指すようになっていきました。

それでは、マイケル・ジャクソンの代表曲と、込められたメッセージを紹介して参ります。

<ビートイットの曲が流れる>

突然学生が席から壇上に乱入するハプニングが起き、止めようとする。

やも「何ですか?授業中ですよ。席につきなさい。」

静止を無視してビートイットの曲を踊りはじめる。
たくさんの生徒が、わらわらと壇上に集まりビートイットを踊りはじめる。
曲が終わった途端に何事もなかったように着席する。

やも「授業中になんですか?やるんだったら先生も入れなさい。」

・・・それでは、、

ビデオを見てみましょう。

【ビデオ2】

・ビートイット(1982年のアルバム「スリラー」に収録)
「どっちが良いか悪いかなんて関係ないのさ」
けんかや戦争のない、平和な世界にしようと訴えています。

・BAD(1987年のアルバム「バッド」に収録)
「本当にかっこいいのは 正義をつらぬくことだ!」
暴力やいじめをしたり、見て見ぬふりをしないようにと訴えています。

・ブラック・オア・ホワイト(1991年のアルバム「デンジャラス」に収録)
「黒人か白人かなんて、関係ないのさ。」
全ての人種がひとつになって、差別のない世界にしようと訴えています。

この3曲は、いずれも全米ポップチャートNo.1になった大ヒット曲です。
マイケルの音楽の画期的なところは黒人でありながらR&Bにとどまらず、世界中に親しみやすいロック調の曲なども取り入れ、白人の心もつかんで行ったことです。
そして、奇抜なイメージからは見過ごしそうですが、平和な世界に向けた歌ばかり作っていたのです。

それでは続いて、かっこ2、今日のメインテーマ、チャリティ・ソングと慈善活動についてお話しします。

まずチャリティソングについて。
チャリティソングは、慈善目的で楽曲を作り、その売り上げや収益を慈善活動に提供する手法です。
一番有名なのは、85年に発表された、ウィ・アー・ザ・ワールドですね。
みなさんも音楽の時間や教科書で習ったことがあるのではないでしょうか?
学校で習ったことがある人、手をあげて。

あ、たくさんいますね。ありがとうございます。

これはアフリカのエチオピアという国での大規模な飢饉を救済するため、マイケルらが曲を作り呼びかけ約50人のトップスターが集結、大ヒットし多大な貢献を果たしました。
1300万枚が売れ、60億円以上が慈善活動にあてられたといわれています。

先頃大ヒットしたクイーンのフレディ・マーキュリーを描いた映画ボヘミアン・ラプソディでは、「ライブエイド」というチャリティ・フェスティバルがクライマックスの舞台になりましたね。この講義でも取り上げられているのではないでしょうか。イギリスでバンドエイドが起こり、それに触発されてアメリカでこのウィ・アー・ザ・ワールドを歌うために結成されたのがUSAフォーアフリカでした。

マイケルは、この成功によって、「音楽で人々を救えるんだ、世界をよりよくできるんだ」と確信したといいます。
そしてその後も世界に災害や紛争が発生すると、必ずチャリティソングを作って、その地の人たちを支援しました。

1995年に阪神淡路大震災が発生した時も、マイケルはチャリティソングを作って支援しました。
「ピープル・オブ・ザ・ワールド」という曲を作詞作曲編曲して、秋元康さんが日本語訳、ジャニーズのユニット、J-Friendsが歌いました。
これによって7億円以上が神戸の復興支援に当てられたといわれています。
911全米同時多発テロ(2001年)や、スマトラ沖地震(2004年)などの際にもチャリティソングを作っていました。

続いて慈善活動について、今日は「ヒール・ザ・ワールド基金」(1992~)についてお話します。
ウィ・アー・ザ・ワールドの後、マイケルは独自のビジネスモデルを開発して慈善活動を行うようになりました。
1991年アルバム「デンジャラス」を発表すると同時に、慈善団体「ヒールザワールド基金」を設立。
音楽活動と慈善活動を強力に結びつけた活動を展開しました。
その象徴的な活動を紹介します。

-アメリカの全番組の中で最も視聴率が高い、アメフト全米一を決めるスーパーボウルのハーフタイムショーを行った最初のアーティストとなりました(1993年)。そしてその快挙が報じられる中で、この「ヒールザワールド基金」の設立をアナウンスし、ショーでは、スタジアム全体を子ども達の人文字で飾り、世界中の子ども達と一緒にヒール・ザ・ワールドを歌うパフォーマンスを行いました。
この模様は70カ国、10億人の人々が視聴したと言われます。

-また、1991年発売のアルバム「デンジャラス」のワールド・ツアーが始まると、ルーマニアのブカレストを開催地にして、当時アメリカとソビエト連邦、今のロシア諸国の冷戦後、社会主義諸国で大規模ライブを行った最初のアーティストとなりました。マイケルは貧困にあえぐ東欧の子どもたちに寄り添って支援をしました。ルーマニア政府には、児童福祉施設や病院の環境改善を提案して、コンサート開催の条件にしました。

-この世界ツアーの収益は「ヒールザワールド基金」を通じて、すべて慈善活動に投じられました。ツアーの収益は最終で30億円ちかくになったと言われています。

-その後もツアー先の各国の児童福祉施設やこども病院などを必ず訪問していました。

このような一挙手一投足を世界中に伝えながら、世界中の人たちが慈善活動に感心を持ってもらえるようにしていました。

他に優れた慈善活動の例として、世界寺子屋運動のスタートアップ資金の捻出と提供の話を上げました。これは、1987年のバッド・ワールドツアー日本公演で来日した時、日本ユネスコ協会連盟という慈善団体から、世界中の貧しい国々に学びの場を提供したいというプランの相談を受けたマイケルが、自ら使用した衣装などを販売するチャリティ・オークションを実施し、得た収益1,000万円ほどを立ち上げ資金に寄付したのです。こうして開始された世界寺子屋運動は、今では現在40か国・100万人以上の学びの場に発展しています。

日本では訪問した児童福祉施設・星美ホームの集会所の老朽化による建て替えの資金を、マイケルファンがチャリティを行って捻出しようと企画を立ち上げ、多くの成果を上げています。これは今今起こっている話です。マイケルの行動は、ここまで人々を突き動かしているのです。

マイケル・ジャクソンの行動は、一人のアーティストを超えて、偉大な社会企業家であり革命家のものだったと言っても過言ではありませんでした。

最後にレジュメの4番.マイケル・ジャクソンの生涯と伝えたかったことについてお話します。

こうして慈善活動に傾注するにもかかわらず、マイケルは多大な受難に襲われました。
少年虐待の疑いによる2度の裁判、マスコミによる誇大なゴシップやスキャンダル記事、それを信じた大衆の偏見、誹謗中傷により、マイケルの名声は大きく損ねられ、50歳の生涯の最後の10年間は大きなブランクとなりました。
それでも裁判の無罪が確定すると、活動再開を準備して、2009年7月にロンドンで復活ライブ「This Is It」を予定しました。
そこではこんなメッセージを世界に伝える目的をもっていました。

「愛が大事だということを、世界に思い出させよう。
そして地球を大事にしよう。
4年で環境破壊を止めて、地球を守ろう。」

「まずは僕たちからはじめよう。
他の方法では、永久に解決できないから。」

このライブには壮大な話題提供と仕掛け作りで望んでいましたが、
マイケルは初演の18日前に急死してしまいました。

その人生そのものが僕たちが人間社会で生きてゆく大きな教訓となっています。

・最後に、マイケルがいちばん伝えたかった核心、「ヒール・ザ・ワールド」という考えについてお話します。
ここでは、東大教授で、「マイケル・ジャクソンの思想」という本を書いている安冨歩氏の説を引用させていただきます。

これは、93年グラミー賞壇上でのスピーチの言葉です。

「魔法、驚き、神秘。
そして子どもの無邪気さは想像力の源です。
そういうものが世界を癒やすのです。」

また、こんなことも言っています。

「僕は、大人たちが自分の中に潜む子どもの心を
取り戻せるような仕事がしたいんだ。」

マイケル・ジャクソンが訴えようとしているのは、差別や偏見や争いといった社会のすべての問題は、人間の行動を画一化しようというシステムと、それに順応して魂を失ってしまっている大人にあり、子どもの純真な創造性を守ることが人類社会と地球を守る唯一の方法なのだといいます。

たとえば「スリラー」の映像も、ゾンビになって踊っているのは、よく見るとみな現代人の仕事や遊びのファッションをボロボロにしたものであり、そこで踊らされているのは、社会のシステムに組み込まれて、生きているのに死んだ魂になった人々なのだというメッセージが隠されているのだと、指摘しています。

<ヒールザワールド動画>

今流れている動画は「ヒール・ザ・ワールド」のショートフィルムです。
暴力や権力では、争いを止めることはできない。
子ども達の純粋な行動が、戦争を止めて平和な世界にするというストーリーになっています。
日本には、戦争を放棄するという、素晴らしい憲法があります。
しかし、世界中では、今も罪もない人たちが戦争の犠牲になっています。
そして日本も今、岐路に立っています。

マイケル・ジャクソンのメッセージを思い出しながら、ユーチューブなどでヒール・ザ・ワールドのショートフィルムを、もう一度、ぜひじっくりとご覧ください。
そして、お父さん、お母さんやお友達などと平和について、戦争について、日本の憲法について、話しをされてみてはいかがでしょうか?

ここに集まったみなさん一人ひとりに、必ず、世界で一番輝く個性があります。
みなさんも、この大学生活で、いつまでも子どもの心をもって、子どもの頃の気持ちを大切に、自分らしくいちばん輝けることを探していってください。

それが、世界を癒やし、世界を救うのです。

この講義に使ったスライドは、レジュメの最後に記載しましたURLで公開させていただきます。

http://michaelyamo.com/info/190605

また、お問い合わせはお気軽に、HPやメッセやメールなどでこちらまでお知らせください。
この講義で、マイケル・ジャクソンのファンになっちゃったという方は、ぜひ僕たちの活動にもご参加ください。

それでは、これにて・・・

<スリラーの曲が流れる>

学生がわらわらと壇上に上がって一緒にスリラーを踊る。

協力は、トリビュート・トゥ・マイケル・ジャクソン、早稲田マイケル・ジャクソン研究会のみなさんでした。

ご静聴ありがとうございました。

庄野先生、このような貴重な機会をありがとうございました。

 

 

イベント案内

今年も歌手の庄野真代さんが講師をされている法政大学人間環境学部の授業の中で、マイケルやもが臨時講師として、マイケルの慈善事業やメッセージについての話をさせていただくことになりました。
講義の内容は、以下の通りです。

【レジュメ】

「マイケル・ジャクソンの慈善活動とメッセージについて」

2019年6月5日

1.マイケル・ジャクソンについて
・人類史上最も成功したエンターティナー(ギネス認定)
・世界一慈善活動を支援したポップスター(ギネス認定)

2.講師プロフィール
マイケルやも
・慈善団体アースデイwithマイケルなど創設
・書籍「マイケル・ジャクソンの言葉」(扶桑社刊)編著
・無農薬・自然栽培農場マイラブファーム創業

3.マイケル・ジャクソンの慈善活動とメッセージ
(1)代表曲と曲にこめたメッセージ
・ビートイット(1982年)
・BAD(1987年)
・ブラック・オア・ホワイト(1991年)

(2)チャリティ・ソングと慈善活動
・チャリティ・ソング「ウィ・アー・ザ・ワールド」(1985年)

(事例)阪神淡路大震災(1995年)復興支援にも無償で楽曲を提供

・慈善活動「ヒール・ザ・ワールド基金」(1992年~)

(事例)世界寺子屋運動(日本ユネスコ協会連盟)のスタートアップ資金の提供(1987年)

4.マイケル・ジャクソンの生涯と伝えたかったこと
一人の音楽家を超えた、社会企業家(Social Entrepreuner)の先駆
栄光と受難の人生、残した教訓

(1)2009年7月に予定された復活ライブ「This Is It」のメッセージ

(2)マイケル・ジャクソンの思考の核心

<参考になる本のご紹介>
・「ムーンウォーク マイケル・ジャクソン自伝」マイケル・ジャクソン著・田中康夫訳(河出書房新社)
・「マイケル・ジャクソン全記録1958-2009」エイドリアン・グラント著・吉岡正晴訳(ユーメイド)
・「マイケル・ジャクソン」西寺郷太著(講談社現代新書)
・「マイケル・ジャクソンの思想」安富歩著(アルテスパブリッシング)

この講義で使ったスライドは、下記URLからダウンロードできます(pdf.ファイル)。

マイケルやもHP
http://michaelyamo.com/
ご不明な点やご意見ご感想はお気軽にお問合せください。

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>>プレゼンテーション(pdf)

>>一昨年の講義の模様

マイケルやもHP
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